長い間集めた物

 譬《たと》えば長い間集めた物を、一々心覚えをして箱に入れて置いたのを、人に上を下へと掻《か》き交ぜられたような物である。それを元の通りにするのはむずかしい。いや、元の通りにしようなんぞとは思わない。元の通りでなく、どうにか整頓しようと思う。そしてそれが出来ないのである。出来ないのは無理もない。そん...

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活字は自由になる世の中だ

 拊石は上《あが》り口《ぐち》で大村を見て、「何か書けますか」と声を掛けた。「どうも持って行って見て戴くようなものは出来ません」「ちっと無遠慮に世間へ出して見給え。活字は自由になる世の中だ」「余り自由になり過ぎて困ります」「活字は自由でも、思想は自由でないからね」 緩《ゆるや》かな調子で、...

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論文はむつかしくて困ります

「何を読んでいます」「フロオベル、モオパッサン、それから、ブウルジェエ、ベルジックのマアテルリンクなんぞを些《すこし》ばかり読みました」「らくに読めますか」「ええ。マアテルリンクなんぞは、脚本は分りますが、論文はむつかしくて困ります」「どうむつかしいのです」「なんだか要点が掴《つか》まえに...

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