僕も不精をしないで歩くとしようか

「僕は少し歩こうと思います」「元気だねえ。それじゃあ、僕も不精をしないで歩くとしようか。しかし君は本郷へ廻っては損でしょう」「いいえ。大した違いはありません」 又暫く詞が絶えた。大村が歩度を加減しているらしいので、純一はなるたけ大股に歩こうとしている。しかし純一は、大村が無理をして縮める歩度は...

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鰻飯《うなぎめし》の丼《どんぶり》

 下女が鰻飯《うなぎめし》の丼《どんぶり》を運び出す。方々で話声はちらほら聞えて来るが、その話もしめやかである。自分自分で考えることを考えているらしい。縛《いましめ》がまだ解けないのである。 幹事が拊石を送り出すを相図に、会員はそろそろ帰り始めた。

[#5字下げ]八[#「八」は中見出し]

 純...

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長い間集めた物

 譬《たと》えば長い間集めた物を、一々心覚えをして箱に入れて置いたのを、人に上を下へと掻《か》き交ぜられたような物である。それを元の通りにするのはむずかしい。いや、元の通りにしようなんぞとは思わない。元の通りでなく、どうにか整頓しようと思う。そしてそれが出来ないのである。出来ないのは無理もない。そん...

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