今から新聞社に行く

「僕は今から新聞社に行くから、又遊びに来給え。夜は行《い》けないよ」 机の上の書類を取って懐《ふところ》に入れる。長押《なげし》から中折れの帽を取って被る。転瞬倏忽《てんしゅんしゅくこつ》の間に梯子段を降りるのである。純一は呆《あき》れて帽を攫《つか》んで後《あと》に続いた。

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君のような壮《さか》んな青年

「なんだ。君のような壮《さか》んな青年が六時半に朝飯を食って、午《ひる》が来たのに食べたくないということがあるものか。嘘《うそ》だろう」 語気が頗る鋭い。純一は一寸不意に出られてまごついたが、主人の顔を仰いでいる目は逸《そら》さなかった。純一の心の中《うち》では、こういう人の前で世間並の空辞儀《か...

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地獄を買わない奴

「それじゃあ地獄を買わない奴は、厳粛な態度は取れないと云うのかね」「そりゃあ地獄も買うことの出来ないような偏屈な奴もありましょう。買っていても、矯飾して知らない振をしている奴もありましょう。そういう奴は内生活が貧弱です。そんな奴には芸術の趣味なんかは分かりません。小説なんぞは書けません。懺悔の為様...

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