浅草公園の昨今の様子

 純一は画なんぞを見るには、分かっても分からなくても、人と一しょに見るのが嫌《きらい》である。浅草公園の昨今の様子は、ちょいちょい新聞に出る出来事から推し測って見ても、わざわざ往って見る気にはなられない。拊石という人は流行に遅れたようではあるが、とにかく小説家中で一番学問があるそうだ。どんな人か顔を...

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天長節の日の午前

[#5字下げ]六[#「六」は中見出し]

 天長節の日の午前はこんな風で立ってしまった。婆あさんの運んで来た昼食《ひるしょく》を食べた。そこへぶらりと瀬戸|速人《はやと》が来た。 婆あさんが倅の長次郎に白《しら》げさせて持《も》て来た、小さい木札に、純一が名を書いて、門の柱に掛けさせて置いたので、...

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故郷の町はずれ

 こんな事を思っている内に、故郷の町はずれの、田圃《たんぼ》の中に、じめじめした処へ土を盛って、不恰好《ぶかっこう》に造ったペンキ塗の会堂が目に浮ぶ。聖公会と書いた、古びた木札の掛けてある、赤く塗った門を這入ると、瓦《かわら》で築き上げた花壇が二つある。その一つには百合《ゆり》が植えてある。今一つの...

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