[ カテゴリー » 日 記 ]

永遠の懐疑

 純一は一寸窮した。「安住と云ったのは、矛盾でした。つまり永遠の懐疑です」「なんだか咀《のろ》われたものとでも云いそうだね」「いいえ。懐疑と云ったのも当っていません。永遠に求めるのです。永遠の希求です」「まあ、そんなものでしょう」 大村の詞はひどく冷澹《れいたん》なようである。しかしその音調...

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道徳や宗教の理想

「なる程旧人と新人ということは、女の事にばかり云ってあるようですね。そんなら僕も新しい人と云いましょう。新しい人はつまり道徳や宗教の理想なんぞに捕われていない人なんでしょうか。それとも何か別の物を有している人なんでしょうか」 微笑が又閃く。「消極的新人と積極的新人と、どっちが本当の新人かと云うこ...

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僕も不精をしないで歩くとしようか

「僕は少し歩こうと思います」「元気だねえ。それじゃあ、僕も不精をしないで歩くとしようか。しかし君は本郷へ廻っては損でしょう」「いいえ。大した違いはありません」 又暫く詞が絶えた。大村が歩度を加減しているらしいので、純一はなるたけ大股に歩こうとしている。しかし純一は、大村が無理をして縮める歩度は...

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